私事ですが、今から約20年前、我が母校が甲子園に出場しました。私の高校は特に野球の名門校というわけではなく、至って普通の公立高校ですから、2度と甲子園に行く機会なんてないと思い、何とかして生観戦しようと思いました。しかし、他の学生と同じく私もお金がなく、何か安い金額で甲子園に行く方法はないものかと散々調べてみました。そしたら何と安く済む方法があるではないですか。青春切符(青春18切符)を使えばいいのです。
青春切符とは、JRが発行している乗車券の一種です。青春切符の最大の特徴は「普通列車・快速列車一日乗り放題」という点です。普通、JRの列車に乗る場合には、乗車駅から降車駅までの乗車券を買わなければなりません。この乗車券は距離が長ければ長いほど料金が高くなります。しかし、青春切符の場合は、同じ日付の間であればどれだけ列車に乗ってもOKなのです。しかも、途中下車も思うままにできますから、青春切符はある意味非常に有効性の高い切符なのです。
青春切符は非常に安くて便利ですが、注意しなければならないことがいくつかありますのでそれを見ていきましょう。
青春切符は1枚単位で発売されるものではありません。必ず5枚セットで販売されます。価格はセットで11500円です。1枚に換算すると2300円です。2300円で一日乗り放題になることを考えると、いかに青春切符がリーズナブルかがわかりますね。ただし、この5枚は切り離して使うことはできません。同じ行程を辿る複数の人間が同時に消費することはできますが、それ以外は個別にセットを用意しなければなりません。
青春切符は使える期間というのが決まっています。元々青春切符は、別名を青春18切符というように、学生のために安価で供給することを前提として作られたものですから、学生が旅行なんかするわけがないだろうと推測される期間は使えず、学生の休みに合わせた間だけ使用可能になっています。
・春・・・3月1日〜4月10日
・夏・・・7月20日〜9月10日
・冬・・・12月10日〜1月20日
年によって多少前後しますが、基本的に青春切符を使えるのはこの期間だけです。また、青春切符の5枚セットは一期間中に使い切らなければ残った分は無効になりますから注意が必要です。また、5枚セットの1回分でも使用してしまうと、払い戻しもしてくれませんのでこれも注意しましょう。
青春切符は青春18切符というのだから、若い人しか使えないのかというとそんなことはありません。子どもであろうと年配の方であろうと問題なく使用できます。ただし、他の乗車券と違って青春切符には子ども用の半額というものはありません。
青春切符で乗車できる列車は基本的に「普通列車・快速列車の自由席のみ」です。ただし、
・普通列車
・快速列車の指定席
・普通列車・快速列車のグリーン自由席
これらに限っては、それぞれ追加の指定席券・グリーン自由席券分の料金を追加して支払うことで乗車することができます。また、普通列車・快速列車が運行していない一部区間(青函トンネルなど)はその区間内だけ特別に特急の自由席に乗ることができます。
青春切符は1日乗り放題ですから、0時00分から同じ日の23時59分(または23時59分を過ぎてから始めて停車する駅)までが有効時間です。この時間以前に、また、この時間以後にも継続して列車に乗車する場合は、別途乗車料金がかかります。翌日分も続けて青春切符を使っても構いません。ただし、東京近郊と大阪近郊は特例です。東京や大阪に住んでいる人ならわかると思いますが、山手線とか京浜東北線とか総武線とかは0時過ぎても走っていますね。このような近距離電車に乗車する場合は、その日の終電までが有効時間になります。
青春切符は、JRのほとんどの駅にあるみどりの窓口に行けば購入できます。ただ、青春切符を使いたい期間によって販売期間は変わってきますから事前に調べておきましょう。大体青春切符を使用できる期間の10日くらい前から購入できるようです。
以上のように、青春切符というのは、規則に従って利用すれば一日で長距離移動ができますし、値段も安いですから非常に有効性が高いです。青春切符は先ほど見たように、0時00分から1日分が始まりますから、深夜運行している列車に乗れば効率的に青春切符を利用することができるのがわかります。では、深夜走っている普通列車や快速列車があるのでしょうか。実はあります。各路線において深夜快速列車は走っているのですが、特に有名なのは「ムーンライトながら」でしょう。昔からの鉄道ファンには、「大垣行345M」といったほうがわかりやすいかもしれません。青春切符を利用する人にとっては定番中の定番列車です。昔は一部を除き自由席で、東京から関西方面に向かう人、逆に関西方面から東京に向かう人が多数利用していたため、その座席争いは過酷を極めていました。私が甲子園に行った時も当然この列車を利用したのですが、発車時刻の3時間前に東京駅に行ったにもかかわらず、既に多くの人が並んでいました。その時は運よく席を確保できたのでよかったですが、一歩間違うと翌朝まで立ち席状態でした。今では東京〜小田原間が全席指定になっており、青春切符云々の前に指定券を取れるかどうかがポイントになっているようです。夜行列車がどんどん減っている現在でも未だにムーンライトながらが人気なのは、何と言っても安いからでしょう。また、深夜を移動時間に当てることができるので、時間を有効に利用できるという点でも好まれているようですね。
青春切符は長時間の移動を差し引いても値段を安く済ませるためのものです。従って、長時間列車に乗っていることが苦痛な人には全く向いていません。そのような人は料金がかかっても特急や新幹線を使用したほうがいいと思います。また、青春切符では普通列車と快速列車しか乗車できませんから、早く移動したい場合にも向いていません。しかし、青春切符のいいところは、安く、自由に、のんびりと旅ができることです。現在は安い長距離移動手段としてしか見られていないかもしれませんが、一部の旅行ファンの間では、気が向いたときに好きなところで途中下車し放題なので、ぶらり旅に向いているとして旅行に利用している人もいます。あらかじめ決められたコースを辿るよりも、その時その時の気分によって自由気ままに旅ができる、このようなゆとりのある旅行をする場合にも青春切符はぴったりですね。
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